ブログ
よりよく生きるために
時間が経つのは早いもので、あっという間に令和5年となってしまった。これが今年はじめてのブログです。昨年のちょうど今頃もいろいろなテーマを持って頑張っていくことをブログに書いた。この1年間は私的には本当にいろいろなことがあった。プライベートのこともあるので具体的には述べることはできないが大きく何かが変わった1年だった。その中でとても考えさせられたのは、残された人生を少しでも楽しく生き生きとしたものにしようと言うことだ。
多くの患者さんと接していると、皆さん元気になりたい痛みから解放されたいと言う方が当然ながら多い。しかしながら、自分も還暦を前にしてようやく患者さんの痛みを身近に感じるようになった。私自身も毎日のように体のあちこちが痛む。よくお医者さんは自分自身が自分の専門の領域の病気になるとよく言われている。私もご多分にもれず、頸椎と腰椎が悪い。頸椎の脊柱管は非常に狭くなっており、常に右手がしびれている。腰も同じく脊柱管が狭くなっている。腰椎が少し後弯していて疲れてくると腰が曲がってくる。朝は腰が伸びないといった感じだ。おかげさまで患者さんと同じように注射をしてもらったり、薬は毎日のように飲んでいる。
あちこち痛くなって良かった事は確実に自分が歳をとって死に近づいていると言うことを感じることができるようになったこと、そして患者さんの痛みが非常によくわかるようになったことだ。
いっそのこと、頸椎は手術をしてでもこの痛みやしびれから解放されたいと思うこともよくある。おそらく患者さんもそんな気持ちになることが多いのだろう。
しかし、幸い薬や注射で何とか症状が落ち着いているので、頑張っていこうと自分に言い聞かせている
他にもいくつか悪いところがあるのだが、そこはあまり公にはしないことにしておきます。
おかげで人生についてよく考えるようになった。残された人生は今まで生きた人生よりも短い事は確実だ。おそらくあと20年生きられる可能性は50%もないと思う。これは統計的には明らかだろう。
そこから考えると、残された時間をどう有効に使っていこうか、どうより良くしていこうかといっそう考えるようになった。
すると、だんだん心がとても広くなり、何事も受け入れられるようになってきた。そして何よりも楽しく生きていこうと言うふうに考えられるようになってきた。自分で言うのもなんですが、これは自分の中の成長だと感じています。この年になって成長だと言うのもおかしな感じですが、この年だからこそわかったのかもしれません。もっと若いうちにわかっていればなぁとも思いますが、なかなかそこはうまくいかないものです。
前回のブログで、次回はお医者さんとの付き合い方について書くようなことを書きましたが、だいぶ趣が変わってしまいました
私が今診療してて感じるのは、多くの人は健康でいること、生きることに対しての欲求がとても強いなと言うことです。それはある意味当然かもしれませんが、人の命には限りがあると言うことを忘れている方が多いと思います。そして今元気でいる事に何よりも幸せを感じ、感謝の気持ちを忘れている方がだんだん増えてきたかなぁと思います。いつの間にか、病気になることや死んでしまうことが、自分たちには関係のない世界のことになってしまっている…そんな人たちが世の中には増えてきたような気がします…
私は医者なので、体が痛くても心が多少病んでいても、患者さんの前では笑顔で楽しそうに一生懸命診療していこうと思っています。そんな元気さを診療の中に振りまいていくのも1つの仕事かなと最近は考えました。
きっと多くの先生方は同じようなことを考えていると思います。自分の身を削ってでも人のために頑張る今更ながらですが、これは医者の本分と思います。
あと、何年今と同じように外来や手術をこなすことができるか分かりませんが、この身続く限り頑張ろうかと日々思っています。
さて、寒い日が続きますが、寒さに負けないようがんばりましょう。
先日寒波が来たときにちょっと暇だったので、小さな雪だるまを作って遊びました。