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悲しい別れ
今週の金曜日の朝、開業以来ずっと来院してくれていた患者さんが亡くなられました。
まだ、50歳代でした膀胱ガンが原因でした。
ちょっと強面のひとでしたが、心は優しい人でした。
子供のころに怪我をした後遺症で満足に歩けず、またいすにきちんと座ることもできない人でした
当院で手術して、きちんと歩行できるようになり、いすにも座れるようになりました。
何十年ぶりに、座れたとほんとに喜んでいたのを思い出します。他にも、膝や腰がとても
悪く、こちらも当院で手術してとてもいい状態になっていました。
いまでは、ときどき膝にヒアルロン酸の注射をする程度ですんでいました。
そんな彼が、亡くなる2週間前に当院に膝の注射に来てくれました。
今、考えればがんが進行してほとんど歩行してないので、そんなに膝がいたいわけでは
なかったと思います。奥さんがどうしてもおおみやにいかんといかんと言ってるんですと
言ってました。何も、言わなかったけどきっと最後のお別れにきてくれたんだと
思いました。
開業してからは、患者さんの死に関わることはなくなりましたが、間接的とは言え
とても悲しい出来事でした。
その晩は、先の懇親会でしたが、終了後に一人で彼のことを思いお酒を飲みました
人生は色々ですね。明日、自分が生きている保証なんてどこにもないです
でも、土曜日は頑張って3人の患者さんを手術しました。
みなさん、家族がいて心配してきていました。
一人のひとは、奥さん、お母さん、娘さん、息子さんときていて手術が始まる前に
奥さん、お母さん、息子さん、娘さんが来てるんだと言葉にだして、メスを入れました。
そんな家族の思いも、感じながら、もちろん始まれば手術に集中ですが、
いつもよりそんな感じで引き締まる思いでした。
人には、役割がそれぞれあります。僕は、手術で患者さんを助けるのが役割です。
ここからは、逃げる訳にはいかないとおもいました。先生を必要としている人はたくさんいるよと…
これは、ある親しいひとがいってくれたことです。
そのためには,時には自分の身を削る事も必要かとおもいました。
そんな人生をこれからも送りたいと思います。